不動産取引にあたり下記の基準があり、アスベスト調査が必要になります。
- ①不動産鑑定評価(不動産鑑定評価基準):不動産取引時における土地や建築物等の適正評価にあたり、確認する必要のある鑑定評価事項に「アスベスト等の有害物質」があるため、アスベスト調査が必要になります。
- ②投資用不動産の取引や企業買収等での資産評価:デューディリジェンス(投資判断のための調査)において物理的調査報告として建物環境のリスクを評価します。ここで、建物環境リスク評価の項目にアスベスト含有建材の有無を明示する必要があるため、アスベスト調査が必要になります。
- ③建築物の売買等の際の重要事項説明(宅地建物取引業法):アスベスト調査の結果がある場合には、調査結果の内容を説明する必要があります。
- ④住宅性能表示(住宅の品質確保の促進等に関する法律):住宅性能表示制度により既存住宅を性能表示する場合、空気環境の項目にアスベスト含有建材の有無を明示する必要があるため、アスベスト調査が必要になります。
以前はアスベストの問題は土壌汚染のように不動産取引で注目されていませんでした。しかし最近はアスベスト除去工事が、投資家と約束したバリューアップ改修工事への支障、テナントの事業や占有等に大きく影響し、コスト増に直結するケースが多いと認識されるようになり、通常、デュー・ディリジェンスの一環のアスベスト調査できちんと評価するようになってきています。不動産取引では、買い手側は、上述された情報および竣工図面等から、アスベスト含有建材の有無と対策費を想定し、資産価値の減額を計算します。しかし情報が不十分な場合は、「最悪シナリオ」、「適度に最悪シナリオ」等でアスベスト含有建材の対策費を想定しますので、売り手側が望むより大きく減額になるケースが多くなっています。
不動産取引を優位に行えるようにするためにも、アスベスト調査をすることをお勧めします。